老人と海
『老人と海』を読んだ。
初版の発行は1952年。著者はアーネスト・ヘミングウェイ。読んだのは小川高義による日本語訳版。Kindle版をiPadで、1時間ずつ2回に分けて読んだ。
簡潔ながらリズム良く、読み手を駆動させる良い文体だと感じた。前へ前へぐいぐいと引き込まれる感覚は、読書体験と作中の冒険的な様子がまるで同期しているかのよう。
常日頃より、自分は成果主義で評価されることを好む傾向にある。と考えていたが、最悪の状況で失意のままに帰還する男に対する自分の反応から察するに、一方で他人についてはどうやら「頑張った奴には頑張った分だけ報酬があるべき」という気持ちが強いかもしれない。
そういうことを考えながら読んでいたものだから、苛烈な現実、夢想の情景、不屈の矜持といったものに対する気持ちをあまりすくい上げられなかった。次回読むときは、その辺りを気にしながら読みたいと思う。
『老人と海』といえば、この企画も面白い。