『Valheim』よいとこ一度はおいで

2021年2月2日にSteamで『Valheim』の早期アクセスが開始されて以来、ここ数日間プレイしている。やってみるとなかなか面白いゲームなので、どういうゲームなのかこの記事でざっと紹介したい。

ゲームの概観

ゲームジャンルは、複数人で遊べる3Dクラフト & サバイバルゲーム。木や石を採取し、拠点をつくり、ダンジョンに潜り、鉱石や素材を採取し、装備を強化し、各地に眠るボスを討伐していく。ARKやマインクラフト、7 Days to DieやTerrariaに近い雰囲気の作品と言える。演出や物語自体にはDARK SOULSシリーズの要素が感じられる部分が多い。オープニングのちょっとした演出や、敵の造形、戦闘時のパリィ要素、初見のとっつきづらさなんかはその最たる例だと思う。

最初の夜の様子。焚き火をつくると人々が集まってきた
初めての家づくり
皆思い思いに家をつくっている

スキルシステム

走ったりジャンプしたり剣を振ったりするだけで、それぞれの行動に応じたスキルLvが上昇していく。単調になりがちな素材集めなどの時間も、このスキルLvが上がっていく感覚のおかげで心地良いものになっている。ゲーム内で寝る前の暇な時間(全員が同時にベッドに入るまで夜が明けないので最後の1人がベッドに入るまで暇になる)に無心で連続ジャンプしてLv上げをしている人も多い。

死ぬとスキルLvが減るので、おいそれと死ぬわけにはいかないが、建築中に屋根から落ちたり、ちょっと強いモンスターに殴られるとすぐ死ぬ。このデスペナルティの塩梅もかなり丁度良い。

MMORPGライクなスキルシステム

大航海時代

鉱石を加工する技術を獲得したりして文明が進むと、船を建造できるようになり、新大陸へ漕ぎ出せるようになる。各地の金属資源を集めて回り、装備を強化し、雪山や荒野などの更に危険な地帯へと進んでいくのが当面の目的だ。ちなみに船の操作は慣れるまでかなり難しい。舵取りをしつつ、風向きを見つつ、マストを広げたり畳んだりし、座礁しないように適切な航路を取る必要がある。とはいえ慣れると夜でもTwitterを見ながら航海できるようになる。

初めての航海
新大陸への入植
食糧生産のための農作業
鉱石の精錬待ち

建築技術

建築要素もなかなか面白い。数十種類の建築可能な部品があり、それらを組み合わせて雨風や敵の攻撃を凌げる拠点をつくり、休息や料理、鍛冶や調合、農業や飼育などが出来るように徐々に発展させていくことになる。

どこにでも物を設置できるわけではなく、柱や梁で補強しないと荷重制限で設置物が崩れてきたり、屋根で塞がないと徐々に家具が壊れていったりする。十分な休息を取るには焚き火などが近くに無いといけないが、火から出る煙で燻されると死んでしまうので、煙突などの機構をつくって適切に煙を逃してあげる必要があったりも する。

最初の頃は勝手が分からずしょぼい家屋しかつくれていなかったが、理解が深まってくると、素材さえあれば快適な拠点を一瞬でつくれるようになる。各大陸ごとに取れる資源の量に限りがあるため、船旅と入植が多くなり、意外と何度も拠点を作成する必要がある。この辺のエコシステムもなかなか良くできている。

木材300個ほどでサクッとつくれる簡易拠点
資材運搬中に襲われる日々

ここでは紹介しきれなかったが、他にも装備や食事、買い物、ダンジョン、ボス戦など様々な要素が予想外なほど適切なバランスで詰まっている。そこまで画質が良いとも言えない作品だが、ゲームの容量は現代の3Dゲームにしては珍しく1GB未満という小ささで、押さえるべきところはきちんと押さえられており、今ではむしろこのミニマルさが良いとさえ感じている。一見無骨で取っつきづらい印象の作品なのに、やってみるとゲームづくりが上手いなと何度も感心させられる、奥深い作品だと思う。