『ファイナルファンタジーXIII』をやった

FFシリーズのナンバリングタイトル13作品目である『ファイナルファンタジーXIII』をやった。

他のナンバリングタイトルは全てやったことがあり、FF13だけは当時PS3を買えなくてやれていなかったが、今回11年越しにSteam版で遊べた。Steam版は1834円だった。随分とお手頃な価格だ。

Steam版は安定性や操作性にやや難ありで、Alt+Tabによるアプリケーションの切り替えやスクリーンショット保存時にクラッシュすることが多かったり、PS4コントローラーを繋ぐとボタン設定がおかしかったりする。クラッシュが怖くてスクリーンショットがあまり撮れず、この記事の画像も少し寂しいのだが…とはいえ楽しく遊べないほどの問題ではない。

フィールドマップでの様子

今作で良かったことの1つ、画の良さ。2009年末に発売したゲームなので、もう11年以上前の作品ということになる。にも関わらず、最近の作品とそう変わらないような綺麗な画で描かれ、台詞で語らずとも登場人物に表情で語らせるような、このグラフィックだからこそ表現出来るような描き方が多かった。

既に「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」というミームで触れ回られているように、ストーリーが難解なのかと思いきや、遊んでみると意外とそうでもなく、個人的には分かりやすいストーリーだった。

パルスのファルシ

昔の神が造り出したファルシという高度な機械生命が何体も存在しており、人間の多くは、とあるファルシによって統治管理されたコクーンと呼ばれる小さな機械惑星で暮らしている。この惑星は更に別のダイソン球状の地殻で覆われており、その地殻上の世界は下界(パルス)と呼ばれ、より原始的な自然が広がっている。ファルシは近づいた人間に死の烙印を付けることがあり、この烙印を付けられた人間は、ファルシから与えられた使命を果たさない限りそのうち死に至るとされており、事実上使い捨ての駒として使役されることになる。本作の主人公達は、全員がこの烙印を押されたところから話が始まる。

下界のファルシに烙印を押されることで魔法や召喚獣の力を授けられたり、ファルシは人を傷付けられないというロボット工学三原則に倣ったような話が出てきたり、人々が神格化している機械生命であるファルシ、そしてファルシの上位存在である神が存在していたりと、"ファンタジーにおけるSF"というFFシリーズに一貫した描き方もしっかりとあって良かったと思う。元々FFシリーズは、飛空艇や火力船、魔導アーマー、魔晄、その周辺に広がる民族や宗教、国家といったように、"剣と魔法"というよりは"魔法の存在する世界での技術や人々の進化"を描いてきた作品だと思うので、この辺りがしっかり描かれているのは嬉しく思う。

Steam版の実績データで見る脱落率

本作は全13章構成となっており、1章から9章までは後戻りできず前に進むだけの1本道が続き、10章からは広大な土地で自由にサブクエストをこなしたり、本編で出てくる敵とは比べ物にならないような強さの敵とその辺で出くわすようになったりする。難易度的にも、9章までは適当に決定ボタンを連打していても難なく進めるが、10章からはまともに考えないと進めなくなり、この辺りから急に手応えを感じるようになる。

9章までは誇張抜きでストーリー付きのチュートリアルみたいなもので、戦闘や成長、探索などの仕組みは10章からようやく自由度が出てきて途端に面白くなるのだが、Steamの実績データを見る限り、ここまでに6割以上のプレイヤーが脱落しているようで、これは勿体なさを感じてしまう。

今作で良かったことのもう1つ、戦闘のテンポと加速感。戦闘中にパーティーメンバーの役割を高頻度で切り替えて攻防を反転させていく戦闘システムは、スピード感がありとても楽しめた。この辺りは、戦闘システムについて評価の高かったFF10-2の雰囲気に近いものがある。敵を攻撃すればするほど敵の防御力が下がっていく仕組みと相まり、戦闘の序盤では弱体と支援の魔法で準備を整え、一気に攻めに転じ、何倍にも膨れ上がっていく与ダメージで敵を一掃するという爽快感がある。

飛空艇

一見すると風変わりな印象ではあったが、プレイしてみるとしっかりとしたFF的作品になっており、記憶に残る良い体験ができた。FF13は続編もあるので、もう少し付き合っていきたいところ。