『原神』第一印象

最初に訪れる街の夜

2020年9月28日にリリースされたゲーム『原神』を早速やりはじめた。

少しプレイした感触では、個人的にかなりの好印象。体験の質が良くなるように努力されている要素が多いのを感じる。こういう、作り手のやりたいことが理解でき、その努力が少し透けて見えるような作品は好き。好きな要素もあり、嫌いな要素もあるが、好きな要素が一つでも見つけられればそれで良い。

一方で、競争心に駆られると途端につまらなくなる可能性のある作品だと思ったので、たくさん休憩しながら一人でまったりやろうかなと思っている。ゲーム内のキャラクター達もひたすらに休憩を勧めてくる。

ゲーム内のUIやカメラワークの設計、モデルの細かい意匠なんかを延々と眺めていたら、ゲーム序盤の街にたどり着くまで数時間も掛かっており、ストーリーが全く進んでいない。しかしそれで良いのかもしれない。

休憩して夕焼けを見ている

UIのデザインは、最近の異世界系アニメ内の表現に見られるようなフラットなもので、『ソードアート・オンライン』や『盾の勇者の成り上がり』の中に出てくるような表現に近しさを感じた。どちらかと言うとWebのコンテキストのデザインに近いものを感じて、なんというか全体的に安心する。

手を止めていろんなものを眺めてみると、アニメーションや意匠などを含めて、とにかく細部へのこだわりを感じる。ステータス画面ひとつ取ってみても、受け入れやすい見た目でありながら、格好良さと可愛さの調和が取れたデザインになっている。

そこまで期待していなかったにも関わらず、戦闘や探索も、魔法の組み合わせでいろいろ試すのが思っていたより楽しい。ゼルダの伝説やSpell Breakをプレイしたときにも感じたことだけど、こういう、小さくてシンプルな要素を組み合わせて大きな力を発生させるタイプの仕組みは、賢く立ち回ることで健康的な達成感が得られて、非常に良い。UNIX哲学的な感じで、プログラミングにおける達成感に近いものがある。

プレイ前はゼルダの伝説ライクな見た目だなと言う印象が強かったものの、プレイしてみると、数多のゲームの要素が取り入れられていることが分かる。洋ゲーとかにありがちなこの要素をこうデザインするのか…イケてる…といった感想が沢山出てくるので、そういう見方でプレイしていても非常に楽しい。

これら盛り沢山な要素を、多少の綻びはあれど破綻無く上手くまとめられているバランス感覚の良さ、総じてアリと言わせるレベルの品質に持っていけている技術力の高さこそ褒められるべきところだと思う。