『ファイアーエムブレム 風花雪月』をやった

ようやく3つの学級をクリアしたので感想を書ける。

https://www.nintendo.co.jp/switch/anvya/pc/index.html

特にシリーズ未プレイの人におすすめの作品なので、この機会に是非やってほしい。この記事では感想を書いているけれど、ネタバレ的な要素は多分無いはず。

ストーリーについて

魅力的で個性的な、数十人のキャラクター達。プレイヤーの選択に応じ、教練や戦闘を通じ徐々に変化していく人間関係。その数十人が互いに掛け算で生み出す膨大なエピソードの量が凄まじかった。

3つの学級の視点で描かれるストーリーもなかなか重厚。将来のために教育を受ける希望的な若者達の姿が描かれる一方で、それぞれの人間の悲惨な末路も描かれることになる。

発売前、ファイアーエムブレムの次回作が学園モノと聞いて少し不安になっていたのを覚えている。いざ蓋を開けてみれば、これぞ自分の求めていたものという感じで安心した。

全ての登場人物を同時に救済するような術が存在せず、どの勢力と敵対するかというハードな選択がプレイヤーに委ねられるところや、古の英雄や紋章、女神といったファンタジー要素がきちんと物語に深く関わっているところなんかは、これまでのシリーズへのリスペクトを感じるところ。一方で、紋章ありきなこれまでの貴族制度への批判や、面白どころだと、天から降り注ぐ近代兵器、EDM鳴り響く謎の地下都市など、新しい風が吹いているように感じるところもあった。これら盛り沢山な要素が破綻無くまとめあげられているバランス感覚がマジですごい。

なんやかんやあって結局合計200時間近くプレイしたことになる。惜しい点として、複数のルートをプレイして長く遊べるゲームな一方で、二周目、三周目となってくると、散策パートの繰り返しが冗長に感じることも多かった。とはいえ、各ルートでエンディングを迎えると、それまでの苦労はすべて癒やされてしまうから不思議だ。このエンディングを見るためにプレイしてきたような気がする。ファイアーエムブレムのテーマの使い方が本当に上手い。

戦闘や育成について

今も昔も、ファイアーエムブレムの戦闘は自分で物語をつくっている感覚が楽しい。今作は使えるキャラクターの自由度が高いこともあって、戦闘面での楽しみも増している。各学級ごとに本当にバランスよく人材が配置されていて、それでいて学級ごとに個性もある。

戦闘面の難易度設計も非常に良かった。最高難易度のルナティックまでいくと相当に手強いものの、ただ単に能力値だけ引き上げたというような理不尽さではなく、思考と努力に応えてくれる設計になっていて、よく出来たパズルゲームのような体験があった。慣れてきた頃に、引き継ぎありでやってみてほしい。引き継ぎ無しでルナティックをやるのは、レベリングや支援上げに作業感があり、正直ちょっとマゾい。

今作は天刻の拍動 (戦闘中に何度か時間を巻き戻せる仕組み) の存在でヌルゲーと化したらどうしようと思っていたけれど、乱数のシードが常に固定されていることもあり、実際にプレイしてみた感触では寧ろかなり好意的に捉えるようになった。もしこの仕組みが無かったとしても、結局は失敗するたびにセーブした箇所からやり直すだけである。自分の時間を無駄にするリスクを秤にかけながらプレイするような緊張感は苦痛でしかないし、この仕組みによって、純粋に戦略パズルとしての思考に集中できるようになったと思う。

おわり

総じて傑作だった。去年2学級分だけ終わらせて力尽きていたのを、気合を入れて再開できて本当に良かった。