『十三機兵防衛圏』をやった
先週末からやっていた『十三機兵防衛圏』を遂にクリアした。思い出しのために、ネタバレを避けつつ歯切れの悪い感想を残しておく。
面白い映画を十数本立て続けに見ているような、しかしながらゲームとして表現される必然性がある、そういうような作品だった。個人的にはほぼ百点満点の出来。間違い無く一つのリファレンスとなる作品になっただろうし、今後出るゲームがこの作品と比較されることを考えると、少し可哀想になる。それぐらい良かった。
振り返ってみると、音楽面に意外と大きくプレイ体験を支えられていたと思う。挿入歌の完璧な演出は勿論のこと、BGMによって「そういうシーン」だと一瞬でわからされる場面が多く、物語に入り込みやすかった。クリア後にサウンドディレクターを調べてみたところ、崎元仁さん (代表作に『伝説のオウガバトル』『ファイナルファンタジーXII』『戦場のヴァルキュリア』他多数) が関わっていることが分かり、納得感があった。
クリアした今でも、挿入歌の入るシーンは何度もプレイしたくなってしまう。あれは超時空要塞マクロスのリン・ミンメイを意識したものなんだろうと勝手に思っている。こういう調子で、作中は色々なSF作品を意識しているであろう素材がてんこ盛りで、やりたいことを全部やっているなという印象を受ける。SF好きな人ほど余分に楽しめるはず。
これだけの素材を完璧に料理しきっている手腕にも、驚きを隠せない。全体を通して綻び無く仕上がっているところも、プレイ後の満足感に大きく貢献していて、爽やかな気持ちで振り返ることができる。そう、プレイ後の気持ちを「爽やか」という言葉が一番よく表せていると思う。これだけの作品が生まれるのは奇跡のようなことなので、もっと多くの人にプレイされてほしい。