『マーダーボット・ダイアリー』を読んだ

最近読んだ本を振り返ってみたところ、漫画ばかりで活字を読んでないなと思い、知り合いが勧めてくれた『マーダーボット・ダイアリー』を読んだ。

"All Systems Red"というシリーズ作品の内、最初の1つのストーリーが"The Murderbot Diaries"という題で作品化されていて、それの日本語訳版を読んだ形になる。日本語訳版は、上下巻に分かれる形で出版されている。自分のペースでは、1冊4時間で合計8時間掛けて読み終えた。

知能を持った警備ロボットが自身を制御するシステムをハッキングし、自由の身となった上で様々な冒険をするという話。この可愛らしい警備ロボットが主人公兼語り部となり、どこか愚痴めいた口調で、身に起こる出来事を日記のように書き連ねていく。

主人公視点のこの描写がかなり読みやすく、上下巻ともに最初から最後まで一貫して楽しめた。主人公のロボットの人間性が特に魅力的に描かれており、人間とロボットの違いについて考えられるように上手く仕向けられているのが良い。世界観に関しても多くは語られないものの、現代SFらしい魅力的なテーマもさり気なく沢山散りばめられており、続編の邦訳が待ち遠しい。