キーボード遍歴
これまで使ってきた、打鍵用キーボードの話。
先週末にfreee Tech Nightというイベントに参加し、そのときに自作キーボード勢と一緒にキーボードの話をすることになったので、自分のキーボードの遍歴を振り返ろうと思い立ち、この記事を書くことにした。
結論はApple Wireless Keyboard
結論から言うと、Apple Wireless Keyboardに落ち着いている。
これを利用している理由は、次の通り。
- 同じものを簡単に手に入れられる
- MacBook Pro と使い心地が似ている
- MacOSと仲良し
総合的な汎用性の高さが気に入っている。
Apple Wireless Keyboardの世代ごとの違い
現在利用しているものは、恐らく7枚目ぐらい。
同じようなものを何枚も買い替えている理由は、キートップを支えるための部品が壊れたり、スプリングがへたったり、モデルチェンジによって後継機がとても使いやすくなったり、社用に購入してもらっていて転職したりということが理由。昔のモデルは単三電池3本を必要としていたが、現在は2本のモデルになっている。これにエネループを入れて、たまに充電しながら利用している。
最近のモデルは、昔のものよりキーに利用されているスプリングが少し強めで、かつ継続的に利用してもヘタりにくくなっている感覚がある。
最近はモデルが大きく変わり、Apple Magic Keyboardという名前に変わった。現在利用しているApple Wireless Keyboardに問題が生じたら試してみようかな、と思っている段階。Apple Wireless Keyboardは、薄い板に電池収納部分が付いているという感じで、持ち運ぶときに場所を取らない形状であることも気に入っているが、Apple Magic Keyboardの方は少し厚みがあるのが気になっている。
キー配列と日本語の入力方式
JIS配列を利用している。また日本語の入力方式として、ローマ字入力ではなくかな入力を利用している。これは、小学生のときに初めてPCを利用したときからそうだった。プログラミングをはじめたのは20歳頃からだけど。
ローマ字入力でも、人並みには入力できる。実際にiPadのソフトウェアキーボードや、自分の用意したもの以外の環境で日本語を入力するときは、ローマ字入力を利用している。複数の入力方式を使い分けても混乱することはないが、後述するようにかな入力の方が思考しながら文字を入力しやすいなとは思う。
なぜローマ字入力ではなくかな入力を利用しているのかというと、入力に必要な工程が比較的少ないということもそうだけど、日本語で思考している場合に、脳内でローマ字に変換することなく、それを直接入力できることの利点が理由。
US配列におけるかな入力
US配列でもかな入力はできるが、JIS配列でキーボード右側に配置される「む」「ろ」「゛」「ー」あたりの位置が、たしかUS配列では完全に別の場所に配置される。US配列を利用すると、その辺りの文字を入力するときに打ち間違えることがある。これは慣れの問題だとは思う。
前前職で働いていたクックパッドでは、自分が在籍しているときは、JIS配列を選べなかったため、自席以外で日本語を入力するときはUS配列でかな入力をする機会があった。会議室で議事録を取るときや、イベントスペースで何かするときや、少し気分を変えて別の場所で仕事をするときなど、自席以外で作業を行うシーンは意外と多かった。
英数・かなの切替
Apple Wireless Keyboardは、JIS配列だとスペースバーの左側に英数キーが、右側にかなキーが付いているので、現在の入力ソースの状態に関わらず、そのキーを押すことで入力ソースをそれに切り替えられる。一方US配列だと、Shift + Spaceでトグルできたりするが、これは現在の入力ソースの状態を認識していないといけないので、画面を見ないと期待する入力ソースに切り替えられない。このトグルするタイプのモード切替方法における状態の確認が煩わしく感じるため、自分はJIS配列の英数キーとかなキーを気に入っている。
US配列でも、Karabiner-Elementsでこれらの設定を変更することもできるが、設定が必要であるということや、MacOSのアップデートにより動かなくなることが多かったりという点に不満を感じている。
Happy Hacking Keyboard
2011年頃、大学でプログラミングを始めてから少し経った頃には、Happy Hacking Keyboard (以下 HHKB) を利用していた。
確か無刻印のモデルで、Enterキーだけ赤色のキートップに変更していたような気がする。アルバイト先にもHHKBを持ち込んで作業していた。MacBook Proのキーボードの上にHHKBを載せる形で利用していたと思う。これは、キーボードを入力しながらMacBook Proのトラックパッドを利用するため。
自分は画面もキーボードも見ずにキーを入力することが多いが、そうなると確実にキーを入力できたことに対する保証が欲しく、結果的にキーを底打ちする(打鍵するときに押し込める限界まで押し込むということ)癖がある。そうなってくると、押し込めるタイプのキーだと1ストロークするのにわりと力が要るというのと、入力音がうるさいという問題があり、結果的にHHKBへの不満を感じていた。
よく考えたらこのキーボードどこにやったんだろう。東京で利用した記憶は無いので、卒業するときに関西の大学に置いてきたか、上京するときに実家に置いてきたか、アルバイト先に置いてきたか、どこかで紛失して悲しすぎて記憶から消すことにしたかのいずれかだと思う。
HHKBの音や打鍵感に対する課題に関して
静音性に関しては、当時は無かった静音モデルのHHKBを利用すれば幾らか解決されるかもしれない。細かいことを言うと、実際に発生している音がうるさいというよりは、うるさい音を出している可能性のある自分が気に入らないという感覚があり、結果的に萎縮してしまって満足にキーを入力できないという問題がある。
それから打鍵感に関しては、メカニカルキーボードのうち、打鍵感を感じられるタイプの軸のものを利用すれば良いかもしれない。ゲーミング用途などでは青軸辺りがよく利用されている。しかしこのカチカチした音も個人的には気になってしまうので、少し困っている。
最近はフリーランスになってから自宅で作業をするようになったので、周りに人は居ないが、通話しながら作業することが多く、コンデンサマイクを利用しているため、細かい音が拾われがちなことも問題に起因している。コンデンサマイクは接地面を通して打鍵音を拾いがちであるため、マイクスタンドにショックマウントを付けて対策している。
The Qwerkywriter
iPad用にThe Qwerkywriterというタイプライター風のキーボードを利用している。冒頭に載せた画像の右側手前のキーボード。
原稿を書くときなど、背筋を伸ばして文章を書きたいときに利用している。iPadスタンドとしての機能や、調度品としての良さもあるので、これまで述べたUS配列やメカニカルキーボードや青軸に対するあらゆる問題点を抱えながらも、かなり満足してはいる。あえて別の環境で気を引き締めて文章を書きたい、というときに重宝している。
ゲーム用途のキーボード
ゲーム用には、BTOでゲーミングPCを購入したときに付いてきた安めのゲーミングキーボードを利用している。PUBGやFortniteをよくやっていたが、このキーボードで満足にプレイできている。
良いものを知らないだけだかもしれないという可能性を検証するために、キーボードが充実しているゲーミングカフェに行って普段プレイしているゲームをプレイしてみたが、どうやら廉価目のキーボードが自分に合っているのかも。ちなみに、BTOでゲーミングPCを購入したのは半年前だが、それまでの2年間ほどは大学の研究室の余剰品でもらったPS/2接続のキーボードを利用してゲームをやっていた。
その他のキーボード
Kinesisというキーボードを試していたこともあっが、机で場所を取るのでスペースの自由度が無くなった結果姿勢が悪くなるという問題と、それから他のキーボードと環境が違いすぎて支障が出るという問題を自分の中で上手く解決できず、あまり継続的に利用できなかった。1年ほど利用しいてたが、人から譲り受けた物だっただけに残念に思っている。
それから、最近までは左手はApple Wireless Keyboard、右手はMacBook Proのキーボードという使い方をしていた。外部ディスプレイの右側に置いたMacBook Proをサブディスプレイとして利用しつつ、キーボードとトラックパッドも利用するという感じ。文字を入力しながら右手の親指でトラックパッドを操作することが多く、かつ左右分離型の方が肩を開いた姿勢で作業できる点が気に入っていた。しかし最近は、iPad Proを購入して右側に置くようにしたので、作業スペース的にこの使い方はできなくなった。