カレーは料理初心者におすすめ

料理を覚えたいときに何から始めたらいいか分からなかったらカレーをつくるといいよって話。

暖かくなってきたので台所に立つことの抵抗感が減り、少しずつ自分の楽しめるペースで学びながら料理を覚えていこうという気持ちになってきた。寒暖の変化によって何かの動機が促進されるというのは面白い。寒暖の変化がモチベーションに影響するんだったら、日本のように中緯度で大陸の辺縁にあるような地域ではものづくりのモチベーションが湧きまくって技術大国として最高の生産性を発揮できるのでは。いや、冬になったら皆鬱状態になってしまって差し引きはゼロか。春には絶対に卒業したいとか言ってるわりに冬になると段々大学に行かなくなって大学教育の意義を唱え始める人間とかを何度も見てきた。

今週末はカレーとポトフをつくった。カレーはとにかく初心者に易しい。日本の家庭用のカレーの具材といえば、にんじんジャガイモたまねぎ肉ルーあたり。初心者は一食作るだけで精一杯だし、味の信用もないから自分一人で食べる用途で始めるだろうから、具材が使い切れないという状況は容易に想像できる。カレーの材料は肉以外は長期間保存できるので、仮に使い切れなくても腐敗して廃棄という最悪の状況は避けられる。だから週末一食だけ作るという運用でも大体うまくいく。

肉はどうするのという話が残っているけれど、野菜と比べて肉は割高なぶん細かい単位で売っているから、自分の食べる分量だけ買いやすい。とは言え料理をするたびに材料を買いに行っていては疲れて料理を続ける気持ちも失われてしまうというもの。そこで使い切れない可能性がある場合は肉類の中でも長期間保存しやすい加工肉を使うといい。具体的にはソーセージ。良いソーセージを買うと独特の食感もあるし、あと煮込む系の料理で加工肉を使うといい感じで味が染み出して良い塩梅になることが多い (専門家じゃないのでカレーの場合どう働くかはわからないけど)。

もう一つカレーの材料には便利なところがあって、最近はスーパーまで行かなくてもコンビニで全ての材料が揃う可能性がある。住宅地付近に位置するコンビニでは肉や野菜を取り扱っていることが多い。こういうところには勿論カレーのルゥも売ってる。肉の取り扱いは少ないけれど、ソーセージかベーコンぐらいなら売っていることが多い。保存がきくという特徴は売り手にとっても都合が良いのだ。

カレーは作り方も至って簡単で、ルゥの箱に書いてあるので便利。よくアレンジを加えておいしくする方法を目にするけど (例えば二種類のルゥを混ぜるとか)、そういうことをしなくてもそのルゥは最小限の原価で最大多数がおいしく感じるようにつくられているはずだから安心していい。

材料の切り方が「一口大に」ぐらいしか書いていないところで初心者にはハードルが高く感じるかもしれない。皮を剥くのかどうかとか、どういう風に包丁を入れるべきかとか、曖昧性のある部分が登場すると難易度が増す。まあ切り方で大失敗みたいなことが起こる可能性は低めなので、雑に切って作り終えた後、あれはこうすれば良かったとかそういうことを考えればいいと思う。

実際のところは好き嫌いという厄介な問題があって、男性は大きめの具材がゴロゴロ入っているのを好むとか、女性や子供は小さい具材の方が食べやすいとか、地域差によって差があったりもする。食べてもらう人 (勿論自分も) に一番いい作り方ができるとかっこいいと思う。ただ、基本的においしくなりやすい方法というのはあって、切り方によっては表面積が増えるので煮物に適しているとか、皮は栄養素が多く含まれているのでできれば食べたいとか、そういう基本事項を覚えていきたい。恐らくそういう知識の価値は一つの料理の作り方を覚えることよりもずっと高い。

日本の食事と言えば一汁三菜が基本だけど、まあ初心者が一度に何品もの料理を作るのは複数人で分担でもしない限り到底不可能な話。カレーは肉も野菜も含まれているし、スープを兼ねている部分もあるし、更にごはんにかけて食べられるので、一品でかなり多くの種類の栄養が取れて健康に良い。慣れてきた頃にサラダなどをつくるといい。

あとこの記事を読んでいる人は比較的男性が多いはずで、カレーが好きだという気持ちは比較的高いはず。そして週末にカレーを作るというのは日本の男性の在り方として世間一般に認められているように見受けられるので、カレーがつくれると少し生きやすくなると思う。

カレーが作れるようになってきたら、次は同じ材料や手順でつくれる料理を探して、とりあえずこの材料があれば飽きずに食事ができるという状況を確立させていくのが良いと思う。例えば肉じゃがはその由来的にもカレーと作り方が似ているし、ポトフなんかは一つの鍋でスープとメインの二皿がつくれて良さげ。

正直自分も初心者なので人にどうこう言える感じではないけれど、とりあえずカレーをつくると良いというのは確度が高いと思うので書き留めておいた。さあカレーをはじめよう！