コンテンツの末尾

面白いコンテンツが永遠に吸い続けられるよう、コンテンツの末尾には別の幾つかのコンテンツへのリンクが(できれば複数個)置かれていてほしい。

小説や漫画やブログ記事などの中でも読み応えのあるものを読んでいると、終盤の方に差し掛かるときに「そのコンテンツが終わってしまう悲しさ」を感じることがある。例えば10巻まで刊行されている作品を読んでいて、1巻から読み始めて10巻まで差し掛かってしまったとき、物悲しさを感じてしまう。こういうとき、似たような(未読の)作品に滑らかに遷移できるようになっていると、大きな幸福感に包まれる。

コンテンツを吸うという表現は、消費活動に対する一種のメタファーみたいなもの。勿論消費活動だけが幸福を感じる術ではない。同じ粒度の言葉を挙げるのは難しいけど、例えば創作は消費と同じように幸福を感じられる手段の一つだと考えられる。だけど消費活動は手軽で、難易度が低く、失敗が少なく、総合的に見て効率が良い手段だと思う。この辺は個人によって感じ方が異なる部分で、たまたま自分がそういう感じ方をする人間だったという他ない。

消費活動の弱点の一つは、消費する対象が尽きてしまうことにある。このときは消費をやめて新しいコンテンツを探さなければならない。消費と消費の間はなるべく短い方がいい。なればこそ、コンテンツの末尾に新たなコンテンツへの誘導があればと思う。無限に続くコンテンツの連結リストの中を幸せに遷移していきたい。