LISPの国
Lispの国、キノの旅に出てきてもいい
— 中村氏さん (@r7kamura) 2013年3月15日
壁の前に、一台のモトラド(注:二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が止まっていた。運転手は壁に書かれたPython(注:プログラミング言語。空を飛ばない)を熱心に眺めていた。ここはLISPの国じゃなかったのかな。モトラドが言った。これはグレアムのエッセイの一部だ。運転手が言った。
— 垂木いすゞさん (@Isuzu_T) 2013年3月15日
壁はゆるやかに湾曲していた。壁にそって走ると、やがて切れ目が見えてきた。そこが国の入り口だった。「どうしてこの壁は曲がっているんですか」運転手が尋ねると、入り口にいた兵隊は誇らしげに答えた。「この壁はカッコの形になっています。LISPの国もまた、カッコに囲まれているのです」
— 垂木いすゞさん (@Isuzu_T) 2013年3月15日
「入国をご希望ですか? ここは大変よい国です。なにせ」「いいえ、ありがとう」運転手は遮った。「少し立ち寄っただけです」「そうですか? 休んで行かれてはどうです。ここは大変美しい国ですよ。なんといっても」「ありがとう。でも、行かないと」モトラドは遮った。「気持ちだけ貰っておきます」
— 垂木いすゞさん (@Isuzu_T) 2013年3月15日
LISPの国を離れてしばらく走ると、ゆるく湾曲した壁が見えてきた。壁にそって走ると、壁の切れ目に入口があった。しかし、中には人っ子一人いなかった。「このへんにはLISPの国がたくさんあるんだねえ」モトラドが言った。「どこが本物のLISPの国なんだろう」
— 垂木いすゞさん (@Isuzu_T) 2013年3月15日
「LISPの国に住んでいた人は、自分でもLISPの国を作りたくなるらしいよ」運転手が言った。「そうしてたくさんのLISPの国ができたけど、滅びる国も多いんだ」「じゃあ、初めの国が本物のLISPの国なわけだ」「そうだね。でも、その国も滅んでしまったらしい」
— 垂木いすゞさん (@Isuzu_T) 2013年3月15日
「ここがそうかもね」「そうかもしれない」「寄らなくていいの?」「いいよ」運転手は言った。「3つの国でで9日過ごしたけれど、ボクには、LISPの国の違いがわからない」運転手とモトラドは少しの間廃墟を眺めていたが、再び走りだした。
— 垂木いすゞさん (@Isuzu_T) 2013年3月15日